きょうは比較的ちゃんと生活できた一日で私は満足です。

きのうはほんとに感心してしまうほどなにをやってもうまく行かない日で、ギアがローに入るととことん落ち込んでしまうので、今日もあまり動かずおとなしくしてよう・・と思ったけど、梅雨間にいい天気だし、いつの間にかなくなっていた目覚まし時計のアラーム調整のねじも見つかったし(これで「時計の針が10時固定なので、それより前には起きられません」と言い訳できなくなったけど)、のろのろと3時頃に川崎市民ミュージアムに向けて出かけた。閉館5時だけどな。


3時50分。初めて降りた武蔵小杉は大きくてきれいな駅だった。
そこからバスに乗って10分。等々力緑地に着いた。車内でこの人たちはギャラリー目当てだろうなぁーという若者たちがぞろぞろと降りたのでうれしかった。こんな閉館ぎりぎりに向かう人が多かった事にも。

で、一時間かけてちょうど閉館時間に見終わって、せっかく天気もいいし歩いて帰りたいなぁーと思ったけどバスは3回くらい曲がったところで道順がわからなくなってしまったし、そもそも駅まで歩くのを推奨していないのか館内に案内図もない。
うーん。あと10分待ってまたバスで帰るか・・・とバスの時刻表を見ていたら、最寄りのバス停案内図のはしっこに多摩川の字が見えた。
「そうだー!それなら川沿いに下ってって多摩川駅から帰ればいいじゃん!」
さえてるな、わたし。とひとり満足して歩き出した。
とはいえ曖昧な地図だからほんとうに多摩川が近いのかどうかもよく分からない・・・。
迷ったらその辺の人に川はどっちかと聞けばいいや。となんとなく地図にあった方向に歩いた。
自分の影が前にあるからたぶん東に向かっている・・・とか考えたけど今振り返るとそっちは多分、南。


が、そんなたいそうな冒険譚にもならず、角を曲がったらとつぜん視界の空がぽっかりと広くなった。
土手だ。やったー。


で、左手に川を、走る人々を、野球する人たちを、テニスする少年たちを、バーベキューする家族を、犬の散歩をする老夫妻を、いろいろなひとたちの土曜日をみながらこっくりと歩いた。
その間私は私の土曜日について考えていたけど、どうも多摩川はそのときは普通だったけど今となっては簡単にできない楽しいできごとの残骸があちこちにあってちょっと悲しくなったりもした。すてきな場所だけど。



図書館で予約待ちが回って来た柴崎友香さんの「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」は私でもすいすいよめるほどに読みやすいお話で(ひらがなが多いからかな?)、特別でない人たちのいっけん特別でもない特別な数日がたんたんと書かれていた。20代前半の友達と恋人ひと組の4人が車で大阪から東京に向かうまでのお話。(そういえば表紙の写真は蜷川さんだ)
ここが好き。

上野公園の大きな池には、わけのわからない水草がたくさん生えていた。鳥がいて、秋晴れの空を飛んで行った。おっちゃんやおばちゃんや家族連れやカップルが、何人も何人もぼくたちの横を通っていった。上野公園はいいところだと、ぼくはこれからずっと思っていると思う。

かってなかいしゃくだけど、同じ面子で同じ場所でこんな風に宴会をすることもいつかはなくなるんだろうな、と薄々分かりつつ、だからしあわせなこのときをこのときのまま永遠にとっておこう、というささやかな決意のような感じがした。


小沢君の歌でこっちも好きな歌詞があって
 南へカーブを曲がると 光る海が見えてくる
 ぼくは思う この瞬間は続くと
 いつまでも
これも同じかんじがする。
タモさんが「ふつうは幸せな瞬間は永遠には続かないって思うけど、そう言いきれるのはすごいよねぇ」って言ってくれて私もうれしかった。



30分歩いて、ちょうどお腹も空いて、ポストに入っていた20周年ありがとう50%引き券を使いに壁の穴で早めの夕飯(遅い昼食?)にした。安くしてもらう分せめて混まない時間帯にしよう、と思ってたからちょうどいい。昨日の夜にも行ったんだけど、ぎりぎりを狙い過ぎて数分差でオーダーストップの時間になった。
さらにこの間、別のおみせだけど、お昼を食べに行ってメニューにイワシのスパゲティーがあっておいしそうだったけどガーリック味っぽいので午後に人と会うし・・・とあきらめたらあっさり同じ会議に出る人がそれを食べていて、じゃ食べればよかった(その論理もどうかと思えど)と思った食べ物の恨みを2つはらして満足した。単純な。
それと、昨日ぼんやりしてたら水があふれてしまって階下の天井に水滴少々の被害を出してしまい・・・(ほんとにだめな人だめな人だ・・・)お詫びのお菓子を買って持って行った。
昨夜怒るどころか心配して知らせにきてくれたのだった。(そのときはあわてて後始末中でてんぱっててちゃんとお礼も言えなかったし)
いっそこれを機にお友達になれるといいなぁと思った。