蟲師

を貸す前にちょっと電車で読み直した。
・・・うーやっぱりいいな。絵も、話も、構成も、コマ割りも。大好きな漫画です。
着物がちゃんとかける人は、ほんとに絵がうまい人だと思う。
それに気配とか音とか、それ以前のものとかを絵にできるってすごいすごい。


百鬼夜行抄(今市子)、百物語(杉浦日向子)が好きな人ならぜったい気に入ると思うなぁ。
もののけものは恐怖系と思われそうですが、怖さより、見えないものへの畏れ、とか、自然と人間の関係とか、そちらがメインだと思います。


境界はいつも美しい。
昼と夜も。光も影も。空と地も。見えるものも見えないものも。あの世とこの世も。



話は変わって今評判の「鋼の錬金術師」を借りて読んだのですが、確かに大人気もナットクのおもしろさでした。キャラと世界が分かりやすいし、テンポもいい。
でも実は一番面白いなぁとおもったのは、おまけまんがとカバーの下に隠された背表紙カット集だったりして。(トリックのDVDでやむ落ちカット集の方がおもしろく思えるようなものか?)
この作者さんどっちかというとオリジナルよりはパロディ向きなセンスなのかもしれないな。根っこは。

物語的にもキーになる「真理」を知るシーンが、どうも蟲師の見開き絵と似過ぎている気がして以来、あんまり素直に楽しめなくなった自分がいたり。こじつけすぎか。


ほかがとてもよくても、ひとつ「これぱくり?」という部分があると、ほかも一気に色あせてしまう。とてもきけんだ。拝借するのと、参考にするのと、お手本にするのと、影響を受けるのと・・・みんな境界は曖昧ではあるが。
(誤解を招かないように蛇足ながら書いとくと、この漫画の作者さんがぱくったとかいってるわけではないですし、あの漫画はちゃんとオリジナルなよいものだと思います。それをきっかけに全く別の話のこんなことをぼんやり私が考えただけです。)