7月最後の夜

shio_nin2005-07-31

暑くて寝苦しい、と言う意味を身を以て知る。
窓全開でねむれない都会の夜はほんとに暑くて夏バテも初めてなれるかも。
クーラーは控えめに・・・なんて無理!
とわたしひとりだけ、こんな狭い部屋なら、でん子ちゃんも見逃してくれるさ・・・
と便利ボタンを押してしまう。そんなことがほら日本のあちこちで。
省エネは、窓全開でも安心して眠れる治安維持から始まるのだと思った。


で、どんどん時計の軸が右回りにずれて今日は6時に初めて外に出る。
代官山のユトレヒトで展示を見て、本をぺらぺら見て、
ファーブル博士のように注意深くあちこちに隠れている、ただで持って帰っていい紙や小冊子やポストカードだけ抜き去る。
そして何も買わずにすんだ・・・と無事山から下りられたような気分になる。
(いまは勉強期間だからゆるしてください。出世したら本をいっぱい買うから、とあちこちの店でそう言い訳をする)


あとは部屋があまりに過ごしづらいので涼しいスタバで買っておいた海辺のカフカをようやく読む。
下巻の半分くらいまで。
なんか気づかれてないだろうけど人前で読むには恥ずかしい表現がおおくてそーゆーときはコーヒーを飲んで誤魔化す。(だれもみてないんだろうけど)
なんか村上さんの小説はつねに「ぼく」が静かに失われていく話ばかりだなぁと思う。
でも15歳の子が主人公ってめずらしいなぁ。
ナカタさんがいとしくてならない。職業的猫探しのおじさんが出てくるとは先に聞いていたけど、まさかこんなキャラクターだったとは!他のみんなもやっぱり魅力的。
2つの軸が交互に重なるのはハードボイルドワンダーランドを思い出した。
私は村上さんのエッセイは好きだけど小説は全部好きと言うわけではなくて、でもこれと羊男の話なんかは好きな方なのでこれもそっちだといいなぁと思う。
出てくる人がみんな規則正しく理性的に生活しているので、全く対極な自分は申し訳ない気持ちになってくる。しかしこの本が日本でこれだけ売れているなら、日本人はもっと繊細でまっとうでもよいだろうに。そもそも本を読んでいる人は電車の中でもあんなにいるのに。でもそうでないから不思議だ。ほとんどの人は私と同じで、完璧でないからこそ静謐で清潔な小説の中の世界へ憧れるのだろうか。



気がつけば10時を過ぎてたのでスーパーに行く。ゴーヤが100円だったので豆腐と卵を買ってゴーヤチャンプルーを作ってみる。かんたんでおいしい。

家に帰って「メタファー」と「アイロニー」をネット辞書で調べる。
やっと納得して続きを読む。
春樹さんの小説を読むと、妙にクールな(自分ではそう思い込んでる)比喩を使いたくなって、そして失敗してしまうものですよね。まったく。